代表・人事ブログ

2022.03.28(月)

  • 社長コラム

わらしべ長者の教訓

春を迎え心も軽くなる季節です。
今月は倫理研究所 丸山敏秋理事長「わらしべ長者の教訓」について書きます。
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先見力はリーダーや責任者に不可欠な能力である。
しかし予測はとても難しい。
目先の利害で、金に目がくらむといわれるように
経済至上主義の世の中では、正しい行為かどうかよりも
すぐに儲かるかどうかを優先してしまう。
成功するか否かは長い目で見なければわからないのに、
いつも近視眼になっている。
わらしべ長者のお話という昔話を味わってみてはどうか。
正直だが貧乏で運に恵まれなかった男がいた。
ある寺で観音様に祈ったところ、
この寺を出て最初に手にしたものを持って歩いて行けと告げられた。
寺の門を出たとたん、石につまずいて転んだ、
手にしたのはたった一本のわらしべである。
なんだこれか、と落胆するがお告げ通りにわらを手に持ち、
飛んできたアブを捕まえてわらに結んで歩いて行った。
すると、立派な車に乗っていた子供がそれを見て欲しがる。
差し出すと家来がお礼にミカンを3つくれた。
程なく、のどの渇きに苦しんでいる女性と出会う。
ミカンをあげるとお礼に上等な絹の布をもらった。
その布を携えて歩いていると馬が突然の病気で倒れて困っている人が居た。
町で馬と布を交換する予定だったという。
持っていた布を渡すと大いに喜ばれた。
馬はたちまち元気になり、引いて歩いていると、
引っ越しをしている家があり、どうしても馬が必要だという。
馬と屋敷田畑を交換し、やがて大金持ちの長者になった、というお話である。
この昔話は一本のわらしべが次々に別の良きものに取り替えられていく様子が面白い。
自由経済は金銭で表示される等価交換を原則として成り立つが、人生それだけでは無い。
価値は人によって異なるのである。
一番訴えたいのは、正直と優しさの徳であろう。
貧しかった男は観音様のお告げを正直に守った。
困った人を見過ごさずに助けた。
ミカンを食べてしまったり、絹布を直ちに売ってしまったら長者にはなれなかった。
今は窮していても長い目で見れば心優しい正直者はいつか幸運を手にできる。
人生は産まれる前と死んだ後も含めた長い目で見なければ間尺が合わない。
優しさと正直の徳を失わない人はきっとこの世で活路が開ける。
しかしたとえこの世が苦難だらけであったとしても、
活路は来世に向けてもひらかれていると信じたい。
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わらしべ長者のお話、昔話で読んだ方もおられるでしょう。
このような観点から考えたことが無かったのですが、
確かにものの価値は人によって違い、またタイミングによっても異なります。
同じ製品でもターゲットや時期をしっかり見て出すと成功するのです。
ただ、それを作って世に出していくのは人です、人の心がチャンスをうみます。
しかし、心が欲にまみれているときれいなチャンスは訪れません。
人様良かれかし、利他の心でいると、よきチャンスが巡ってきます。
JEIの製品サービスでわらしべ長者のお話を実現してみたいです。
ケアロックが巨大入退室管理システムに化けるとか楽しいですね。
今月もありがとうございます。
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株式会社JEI
山之口良子

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