代表・人事ブログ

2017.02.28(火)

当社の仕事は”雨ニモマケズ”

 一年で最も寒い時期ですが、この間も雪の下では春に備えて、大地に滋養をためる営みが続いています。我々もそうありたいです。今月は、有名な宮沢賢治の「雨ニモマケズ」について書きます。

「雨ニモマケズ」
(現代語)
雨にも負けず 風にも負けず
雪にも夏の暑さにも負けず
丈夫な体を持ち
欲はなく決して怒らず
いつも静かに笑っている
一日に玄米四合と味噌と少しの野菜を食べ
あらゆることを自分を勘定に入れずに
よく見聞きし 分かり そして忘れず
野原の松の林の蔭の
小さな萱ぶきの小屋にいて
東に病気の子供あれば
行って看病してやり西に疲れた母あれば
行ってその稲の束を負い
南に死にそうな人あれば
行って怖がらなくてもいいと言い

北に喧嘩や訴訟があれば
つまらないからやめろと言い
日照りのときは涙を流し
寒さの夏はおろおろ歩き
皆にデクノボーと呼ばれ
ほめられもせず 苦にもされず
そういうものに私はなりたい

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 昨年、宮沢賢治記念館を訪れました。静かな、豊かな自然に囲まれた、地元の方の賢治さん(地元の人はこう呼ぶ)への愛情が感じられる手作り感あふれる展示が印象的でした。学校の教科書などで読まれた方も多いでしょう。この詩は、作品として発表されたものでもなく、賢治さんが亡くなった後、手帳に殴り書きされていたものが発見されたそうです。私は数年前から繰り返しこの詩を読み口ずさみ、噛みしめています。ここには日本人の理想が描かれていると思うからです。自然の移り変わりを素直に受け止め、争いごとは何も生み出さない、自分の主張よりも他を優先し、自分の周りだけでなく広く人を愛し、世のため人のために地味に努力し、質素に、我が我がと出過ぎず、デクノボーと呼ばれることに喜びすら感じる、そんな人に私もなりたいです。自分で正反対だなと感じて、またこの詩に戻っています。日本人が忘れている姿がここにあります。

遺伝子研究の権威、筑波大の村上和雄先生は、ものすごく一生懸命働くと、不思議なことに良い偶然が起き始めるという話をされ、その状態を遺伝子のスイッチがオンになったと表現されます。そして、この詩の様に欲にまみれず、愚直に、地味な努力を積み上げる、そういう生き方が遺伝子のスイッチがオンになる生き方と言われます。村上先生も、結局同じことを説いておられると思います。不思議な縁や、ラッキーは、自分の心と行動で引き寄せる。
その具体策が、掃除・一生懸命働くこと・道徳を守ること・人を幸せにすることなのだと思います。
当社の仕事はまさに雨ニモマケズ、の気持ちで進んで行きたいです。今月もありがとうございます。

日本電子工業株式会社
山之口良子

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