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大風呂敷を広げ、逆算の考えで進めていく

2017年12月28日 [ 社長コラム ]


今年もあと残すところ数日となりました。一年を振り返り、新しい年に夢をはせておられることと思います。今月は、日経新聞十二月十一日夕刊、三浦豪太、探検学校コラム「成功の裏に逆算の考え」について書きます。

 友人に誘われ、シンクロナイズドスイミング日本代表の井村雅代ヘッドコーチの講演を聴いてきた。指導者として夏季五輪のメダルを六大会連続で確保して日本をシンクロ強国にした功労者である。
井村コーチはメダル獲得を前提に全ての計画を立てる。遠い目標に達するために、その時々で何が必要かを考える。練習は選手が課題をできるようになるまでやる。練習時間が一日十二時間に及ぶこともある。選手がその意図と効果を理解するのはメダルを手にした後だったりする。この「逆算の考え」が興味深かった。まずただしたのは選手の「姿勢」だったという。まだ手つかずの選手達は背中を丸めている。シンクロは人が優劣を判断する採点競技だから、まず、胸を張って歩く、堂々と強者の姿勢を示すことで自分も周りも見る目が変わる。五輪のために楽曲を一から作った。選手が疲れている後半は手拍子が起きるようなリズムにして最後は爆発的な盛り上がりを印象づける。水着も身長差が目立たない色合いを考え、仕上げの装飾は選手の母親達に縫い付けてもらった。厳しい顔の裏に、選手一人一人に寄り添うコーチの姿があった。
 全てはメダルのために、「逆算の考え」を聞くうちに、僕の身近にも同じような考え方をする人が居ることに気づいた。父の三浦雄一郎だ。父も又「エベレストから直滑降する」 「八十才でエベレストに登る」 「八十五才でチョオユーをスキーで滑る」などとまずは大風呂敷を広げる。実際には不整脈や骨盤骨折でそれどころではなかったりするのだが、遠い目標を定め、そこに向かって鍛錬を重ねるうちに最後には辻つまを合わせて成功を手にする人である。札幌農学校(現北海道大)を開校した、ウイリアム・スミス・クラーク博士は 「少年よ、大志を抱け」と言った。だが志を立てるのに年齢は関係無いのだ。

三浦雄一郎さんはTVCMなどでよくご存知だと思いますが、息子豪太さんもスキー学校など幅広くスポーツ界で活躍しておられます。井村先生については過去何度かこのレターシリーズでも書いたことがあります。まず、ゴールにメダルありき、現状の足下を見て、そこまでの乖離を埋めながら、あるべき姿に近づけていく、逆算の考えで進めていくのです。まずは大風呂敷(大きな目標)、を広げる。今すぐ出来ないことも能力は未来進行形と捉えて出来ますと答える。それに向かって鍛錬を重ねる、つまり勉強して自分の技術を高める、場数を踏んで鍛える、できる自分に近づける。しんどい鍛錬、場数の中で確乎不抜の志を立てる、今は出来ないけれど、いつかこうなるぞ、いつかやるぞ、と心に念じる。すると、必ずその目標は達成できます。八十才でエベレスト、といった鉄人技はとても、という人でも、人生二度無し、自分がこの世の中に生まれたお礼をここに残す事はできます。自分に何ができるか、その志を新たに、新年を迎え、ご自身の人生も仕事も豊かに楽しんでいきましょう。本年も本当にありがとうございます。よいお年をお迎えください。
   
日本電子工業株式会社
山之口良子


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