1962年創業の信頼と実績、国産初の電気錠・電気錠制御盤メーカー。設計・開発・施工・修理・保守まで一貫対応。

HOME  >  JEIブログ  >  社長コラム

社長コラム

反発心うまくエネルギーに、苦境に感謝。

2018年09月28日 [ 社長コラム ]


今月は日経新聞7月18日夕刊 プロトレイルランナーの鏑木毅さんのコラム、
反発心うまくエネルギーに、について書きます。

サッカーワールドカップが幕を閉じた。今回苦戦が予想されつつもグループリーグを突破できたのは
長年の努力が大きいに違いないが、直前の監督交代からメンバー選出、練習試合での苦戦などであまり期待されず、
むしろ揶揄されたことも一因だと感じている。と言うのもスポーツ選手はバッシングを受けると
それを跳ね返そうと必死になって努力するし、大舞台になればなるほどその傾向が強くなるからだ。
思うにこうしたネガティブな感情にさせられた誰かを決して恨まないことも重要かも知れない。
恨みはともするとゆがんだエネルギーとなり、本来発揮すべきスポーツのシーンとは
無縁の場で現れてしまう恐れがある。
例えその人からの言動で自分にネガティブな感情が湧いたとして、それはそれとして切り離し、
自分を前に進めるエネルギーだけを力にしなくてはならない。むしろ本気にさせてくれた相手に感謝する
くらいになれば栄光を掴む事に繋がるのでは無いか。選手の待遇はJリーグの盛り上がりで良くなり、
近年は代表になると年俸も一億円を超える。名誉や地位の向上もあり、大概の選手は満足してしまう。だから長期に渡り高い目標を持ち続け、それに向かって本気の努力を続けることは何よりも難しいというのだ。
サッカーに限らず一流選手というのは持ち前の負けん気と執念深さから周囲と自己の評価のギャップに絶えず反発し、努力し続けることができる人なのだろう。

ワールドカップ盛り上がりましたよね。特に批判的な論調が多く、
日本チームが見事にそれを跳ね返したので、爽快でした。
ネガティブな感情のエネルギー部分だけを取り出して力にして、
本気にさせてくれてありがとう、って感謝する、うーん、そこまで人間できてない、と気後れします。
しかし、ビジネスの場でも同じような事は起こります。失敗した、理不尽に攻められた、なぜ私が??
と思うが、全ては元が自分と考え、理不尽を愛とうけとめる、ありがとうと感謝する、
そしてそれを更にテコにして、上のステージに上がる。
逆に相手への恨みにとらわれると、自分を正当化してしまい、決して前には進みません。
さっさとありがとうさようなら、とそんな気持ちから離れましょう。
弊社も過去、何度も苦境に陥り、取引金融機関から人間扱いされなかったこともあります。
しかし、その都度、自分に力が無いから仕方が無い、当然だ、厳しい評価をしてくれて、ありがとう、
でも今にきっと振り向かせるぞ、と決意したモノです。
それは社員の皆さんの頑張りで実現でき、何度も切り抜けて来ました。
今では、本気にさせてくれた、なにくそという気持ちにさせてくれた苦境に感謝しています。

平成30年9月28日
日本電子工業株式会社 山之口良子


ピンチは成長の大チャンス

2018年08月29日 [ 社長コラム ]


暑い日が続きます。
今月は、TVドラマでも話題のチアダンから、致知七月号より書きます。

テレビドラマ チアダン。そのモデルとなっているのが福井商業のチアリ―ダー部JETSです。
顧問を務める五十嵐さんが語った生徒たちとのエピソードがとても印象的でした。
今年の冬は北陸を中心に大雪が降った影響で、福井もすごかったんですよ。
あまりの大雪に物資の輸送が一時ストップして、どこの家庭も灯油や食料が底をつくなど本当に大変でした。
そのせいで学校も一週間休校になったのですが、実はその時点でラスベガスの大会当日まで二週間を切っていたんです。これには困りましたけど、正直なところとても大会どころの騒ぎではありませんでした。
それでも三日も経つとちょっとは余裕が出てきたので、少しでも生徒たちの不安を取り除こうと、ある作戦を立てたんです。どんな作戦かと言うと、一日の練習時間を三分割にして、生徒同士が練習メニューを決めて出来栄えを動画で送り合うというものでした。
そんなこんなでようやく雪が収まって一週間ぶりに学校が再開したので、早速通しで演技の練習を行いました。
久しぶりの練習でどうなることかと思っていたんですけど、この時の演技はびっくりするほど素晴らしかったんです。
全然合わせる練習をしていなかったのに、息がピタッと合って本当に感動的な演技でした。
正直に言いますと、ラスベガスで優勝した時よりも、その時の演技のほうが断然よかったですね。
これっていうのは、一人では踊れない、仲間って必要なんだ、みんなと会えて嬉しいっていう気持ちが、その瞬間にピタッと合った。やっぱり気持ちなんだって思いました。彼女たちの気持ちが一つになる瞬間を、私は初めて味わいましたね。
私は生徒たちに対して、「ウェルカムピンチ」っていう言葉をよく教えているんです。
「ピンチはチャンスだ」って言いますけど、これはその最上級なんです(笑)。
ピンチはあったほうがいいんだと。生徒たちはそのピンチを見事に乗り越えたわけですけど、その原動力になったのが、学校に来られることへの感謝とか、仲間に対する感謝の気持ちといったものが内面から溢れ出てきたからだと私は思いました。

TVドラマも楽しみに見ていますが、世界レベルのチームとなると練習も努力も凄まじいのでしょう。
このお話は、個人の仕事とチームの仕事に通じます。チームでは仕事を細分化し、何人かで分担します。
自分の部分だけが完成しても他のパートと組み合わせてみるとうまく繋がらなかったり、
製作意図がずれていたり、全体で見て初めて分かることがあります。
チーム、組織で仕事をする事は、1+1=2の当たり前を、1+1=3にしたり、5にしていく事です。
人間一人では生きていけません。チームで仕事をすると、一人ではできない偉大なことを成し遂げられます。
ピンチも来ます。ピンチはチャンスより、更に前向きなウエルカムピンチ、なかなかそう思えないでしょうが、口に出して言ってみると案外気分が明るくなって何か浮かんでくるものです。
ピンチは成長の大チャンスです。今期も沢山のピンチ、ウエルカム、乗り越えるの面白い、と進んで行きましょう。
今月もありがとうございます。

日本電子工業株式会社
山之口良子


お金の出口~何にどう使うか~

2018年06月28日 [ 社長コラム ]


過ごしやすい季節はあっという間に過ぎていきます。今月は今週の倫理、三月三十日号より書きます。

ある夫婦が、講師を駅まで送迎しました。以下はその時の会話です。
妻「お札(紙幣)にアイロンをかけると、なぜか家計費の支出が少なくて済むのですよ」
夫「本当にそうなのです。以前は家内に言われるまま、毎月三十万円ずつ渡していました。足りない時は、そのつど必要額を渡していたんです」
妻「『今月は少し足りなくて...』と追加をお願いすると、決まって夫婦喧嘩になるのですが、お札にアイロンをかけ始めてから、一度も夫婦喧嘩がないんです。追加の要求をしないから(笑)」
夫「追加要求どころか、妻のほうから『家計費は月二十万で大丈夫』と言うのですから、喧嘩になるはずがないですよ」
講師「なぜ月に十万円もの削減ができたのでしょうか」
妻「強いていえば、お札にアイロンをかけるようになってから、支払いをする際に〈これは○○のお金、これは○○に要する費用〉というように、お金の使い道に気を配るようになりました」
講師「なるほど。それで結果として、使途不明の無駄遣いがなくなって、不要な物を買わなくなったのかもしれませんね」
妻「それに、ひと手間かけてシワを伸ばしたお札でしょう。支払いをする時も、自然に〈行ってらっしゃい、またお友達を連れて帰ってきてね〉と、心の中で唱えて送り出すようになりましたね」

紙幣にアイロンをかけ、しわを伸ばして扱うことは、金銭を大切にするほんの一面の実践です。肝心なのは、その行為の奥にあること、すなわち「何のために支払うのか」と、金銭の使途を考えるところにあるのでしょう。これを企業経営に応用した場合、「何のために」利益を上げるのか、その利益を「何に使うのか」と問い続けるうちに、経営のより高い精神的意義が明確になってきます。単に欲望から金銭を残そうとするのではなく、利潤を得て、永続的に社会に貢献できる会社を目指すなら、そのために会社を大きくしようとすることは「活きた金銭の使い道」に他なりません。
金銭は、自らを活かして使ってくれる人や会社のもとに集まるという習性を持っています。また、よい会社には、金銭だけでなく、人も物も情報も同じように集まってきます。金銭の習性をよく理解し、金銭が友達を連れて集まってくるような会社、「儲ける」のではなく、自ずと「儲かる」ような会社を目指したいものです。

硬貨、紙幣の形をしていると、お金だ、と意識しますが、これが製品や基盤などの部品に姿を変えていると、お金だという意識が薄れます。ものを大切に使う、その機能を最大限に発揮させてくれる人の所にものは集まります。人も同じです。その人を大切に思い、最大限、能力や良いところを引き出して発揮できる場を与えてくれる上司の所に人は集まり、このリーダーのためならと、懸命に仕事してくれます。するとドンドン良いものが生み出されていきます。お客様に喜ばれます。結果として売上が上がり利益が上がります。そして、その利益はどこへ行くでしょうか。社員皆さんの給与賞与になります。蓄積した利益は内部留保となって、会社の危機に備える蓄えとなります。そして蓄積した利益で社会還元します。より品質の高い製品を開発する、顧客満足度を上げるためのサービスを開発する、多世代間交流武道場を建てる、老人ホームを作る、学校を建てる、美術館を建てる、子供から大人お年寄りまで学べる場を創る、社会に潤いと愛をもたらす本を出版する、お金の出口は無限です。当社の事業の目的、経営理念に照らし、お金そのものではなく、お金を何に、どう使うか、企業の信が問われます。儲かる、という文字は信じる者と書きますよね。皆さんはどんなお金の出口を探したいですか。今月もありがとうございます。

日本電子工業株式会社
山之口 良子


成功の秘訣

2018年04月27日 [ 社長コラム ]


桜の季節となり、一年で一番過ごしやすい時期はあっという間ですから、身体を鍛える、行きたいところへ行ってみるなど新しい挑戦をされていることと思います。今月は倫理ネットワーク一月号より、社会は倫理経営を希求している、より書きます。

 これからの企業の在り方を考えるキーワードとして公益資本主義という言葉があります。ベンチャーキャピタリストの原丈人さんが現状の私益の追求に行き過ぎた資本主義から本来あるべき公益的なところに戻すべきだという論調を書いておられます。元々日本にある思想の中にそのヒントを見いだせるかも知れない。大正時代に内村鑑三が星野嘉助氏(現・星野リゾート社長の祖父)に渡した、人生の目的は金銭を得るに非ず、品性を完成するにあり、などと、非常に良いことが書いてあります。古いものではあるけれど、経営者に向けた内村鑑三からのレターとして、もう一度ここに向かっていこうという指標になるかもしれません。
大正十五年七月二十八日 星野温泉若主人の為に草す 成功の秘訣 六十六翁 内村鑑三

一 自己に頼るべし、他人に頼るべからず
一 本を固うすべし、然らば事業は自から発展すべし
一 急ぐべからず。自動車の如きも成るべく徐行すべし
一 成功本意の米国主義に倣うべからず、誠実本意の日本主義に則るべし
一 濫費は罪悪なりと知るべし
一 能く天の命に聴いて行うべし、自ら己が運命を作らんと欲すべからず
一 雇人は兄弟と思うべし、客人は家族として扱うべし
一 誠実に由りて得たる信用は最大の財産なりと知るべし
一 清潔、整頓、堅実を主とすべし
一 人もし全世界を得るとも其霊魂を失わば何の益あらんや。人生の目的は金銭を得るに非ず。品性を完成するにあり。

今や飛ぶ鳥を落とす星野リゾート星野社長のお祖父様に内村鑑三先生が書かれた書簡で、その文字、行間に内村先生の教育者として人を導く愛があふれているように見えます。
内村鑑三先生は、当社の社員にも推奨している著書「代表的日本人」を書かれた、明治から大正の教育者、宗教学者です。英語が堪能で外国のありようにも詳しいからこそ、日本人の誠実、まことについて一家言お持ちだったのでしょう。
当社に引き当ててみると、誠実によりて得た信用は最大の財産、という言葉です。
顧客の期待を真摯に受け止め、誠実に仕事を遂行するという経営理念を毎週唱和してもらっています。
信用を積み重ねるには長い年月がかかる、しかし失うのは一瞬、とも言います。
信用は一朝一夕には作れません。
過去、創業者が国産初の電気錠を作り、先輩達がその事業を切り開いてきた、地道な仕事の積み重ねの上に、今、私たちは居ます。更に私たちが良い仕事を地道に続けることで後に続くJEIパーソン(≒当社の人材)の仕事の礎になる信用が積み重なっていきます。
今私はその一つの信用のかけらを積んでいるのです。そして、人生の目的は金銭を得るに非ず、品性を完成するにあり、これは京セラフィロソフィで稲盛塾長が述べられていることと同じです。
フィロソフィを学ぶことで、人生哲学を持つ事によって、人から尊敬され愛されるようになり、素晴らしい人生を送ることができる、その為にフィロソフィ輪読会を十年続けています。皆さんで、素晴らしい人生をつくり、ともに送っていこうではありませんか。

日本電子工業株式会社
山之口良子


ハードワークで自分の壁を越える

2018年03月28日 [ 社長コラム ]


少しずつ暖かくなり、梅と桜が同時に楽しめそうな季節となりました。今月は日本電産会長 永守重信氏京都市ベンチャー企業講演会 今、ベンチャー企業家に伝えたいこと について書きます。

私は小学校四年生の時モーターづくりの実習で一等賞を取り、自分の天職はモーターづくりだと悟りました。学生時代は特待生になり、六年間のサラリーマン生活を送り、入社早々に起業家を目指し、資本金二千万円(現在では二億円)をためるため基本給とボーナスをあてました。
生活費は残業手当だけでまかない、安い下宿に住み、風呂は一週間おき、洋服も着た切り雀、三十五才までに二千万円貯める計画でした。
ところが思いがけない事に、二十八才の時、毎月千円の積立金で会社の株の配当金一千万円が入り、わずか七年で小型モーター製造会社の日本電産を創業することができました。
創業時は私も従業員三人もニ十代で工場兼自宅でした。営業先の門前払いは日常茶飯事、誰も相手にしてくれないので、日本での事業を諦め、思い切って渡米しました。
米国の世界的な化学電気素材メーカー3Mへの売り込みで、先方が我々に対して何を貢献してくれるのか、と問われたので、「小ロット短納期」をアピールし、取引がスタートしました。
こんな小さなモーターが出来たのかと驚かれました。
更に五百万ドルの注文をする上で工場を視察したいと言われるので、自宅兼工場を見せるわけにも行かず、一計を案じました。京都観光を優先し、工場を見せる時間を無くしてしまおうという目論見で、一行は満喫して納得して帰国しました。
経営が軌道に乗りIBMから二千万ドルの注文も来ました。ある大手企業が社員百名の企業なら取引すると言うので、当時社員五十名だったので、部長一行が訪れた際、社員に髭をつけさせたり白衣を着せたりして変装させ百名在籍しているように見せかけたのです。おかげで取引が始まりました。
当時のその部長が社長になり懇談した際、社長はその時の細工を見抜いていたと打ち明けられました。日本電産さんの何とかしたいとの熱意に負け、取引条件は関係無く稟議を通しました、と話してくださいました。
今のベンチャー企業は恵まれていますが、環境が良すぎると大きな企業に育たないし物事がうまく行きません。ベンチャーはピストルで例えると、弾が一個しか無いため、一発で相手を倒さないと相手の弾に当たります。私はベンチャー企業家に対し、製品に対する技術的なことは一切聞きません。
出退社時間や土日は休んでいるか否かを問います。会社を立ち上げてからはせめて十年は死に物狂いで働くべきです。少し成功するとすぐに遊ぶか浪費をします。
勝利の方程式は、できないものをできる、つまり不可能を可能にすることです。たとえ出来なくても熱意から入れば競争相手よりもっと良いものを作り出すことができるからです。
一流大学出身者はできない理由を証明しようとしますがこれは大きな間違いです。
当社は二千二十年には残業ゼロを実現します。それは今の当社が一兆円企業だから可能なことです。
生産性をいかに上げていくかが焦点です。中小ベンチャー企業が残業ゼロにすれば倒産してしまいます。
アメリカ、ドイツ、フランスなどのベンチャー企業は猛烈に働いています。起業して定時、土日休みではつぶれてしまいます。
人の倍働く・・・企業家のハードワークこそがベンチャー成功の秘訣です。ベンチャー企業は技術者を重んじますが、少々の技術力では通用しません。
安い、サービスの良さ、短納期、この三点が重要です。ベンチャー企業に伝えたいことは、過信もいけないし卑下も良くありません。チャンスは昔よりも遙かに豊富です。

 あの日本電産の正面玄関には創業時のプレハブ工場がそのまま展示されています。初心忘れるべからずという戒めとともに、ハードワークの原点を大切にする社長の心がこもっています。弊社の創業時の堺工場を思い出します。民家の納屋を改装したもので、もっと粗末な工場でした。ベンチャー成功の秘訣は人の倍働く、いまこんな事を叫ぶと、時代錯誤だと言われそうですが、特に若い方にはしっかり聞いて欲しいです。人生には、何もかも差し置いて、何かに集中する時期が必要です。社会に出て間が無い、新しい仕事についた、などよい機会です。打ち込めば自分に返ってきます。程々だと程々しか返ってきません。私は皆さんに心震えるような体験を、仕事を通じてしてほしい。恐ろしく上司やお客様に叱られたり、大きな失敗したり、メチャ落ち込んだりする、なんとかしよう、能力や技能を上げようと努力する、スパイラルアップする、次はうまく行く、もっとうまく行ってお客様に喜んでもらおうと更に自分の力を磨く、この繰り返しが人生を、仕事を豊かにしていきます。百才過ぎたら程々でいいじゃないですか。でも、今、現役で働いている人達、ハードワークで自分の壁を越えてみませんか。しっかり働いたら、オフでの楽しみが倍増しますよ。今月もありがとうございます。
 
日本電子工業株式会社
山之口良子


商機と勝機は日陰にあり

2018年02月28日 [ 社長コラム ]


年があらたまって早二ヶ月が過ぎ、仕事の充実した季節になりました。今年も健康一番で力一杯やりましょう。今月は日本政策金融公庫、中小企業だより、経済風向計コラム、商機と勝機は日陰にあり、について書きます。

競争戦略とは何か。一言で言うと、競合他社との違いを作ることだ。他社がすぐに真似しない、できない違いを創り、持続的な競争優位を構築する事に本領がある。従来の戦略は、決まって、模倣障壁という概念を持ちだしてくる。競合他社も必死で模倣障壁を乗り越えてくる。豊かな資源を抱えている大企業がどうしても有利になる。従来の障壁に変わる持続的な差別化の論理は何か。「日向対日陰」という切り口が手がかりになると考えている。いつの時代も旬の事業機会がある。(最近だとフィンテックやAIやIoT)その時点で脚光を浴びている日向をストレートに攻めるよりも、日差しが創る日陰に身を置く商売にこそ妙味がある、というのがここでの主張だ。十九世紀のゴールドラッシュ時代の「金鉱掘るよりジーンズ売れ」は日陰戦略の古典的な例だ。一攫千金を夢見た人々がカリフォルニアに殺到したが、やがて金はつきてしまい、安定的に利益を獲得したのは、押し寄せる金鉱堀に生活必需品(ジーンズなど)を売った商人だった。日陰戦略の美点は競合に対する障壁や防御を必要としない事にある。敵がやりたいけれど出来ないのではない。そもそもやる気が無いのである。ライバルによる直接競争の忌避、ここに競争優位の鍵がある。日陰にはユニークな価値を創造する可能性がある。あらゆる顧客価値の本質は問題解決にある。日向戦略は新しい技術や市場の機会を捉えて顧客の問題を解決しようとする。しかし、問題解決は常に新しい問題を生み出す。いつまでたっても全ての問題が解決されず、たえず新しいニーズが出てくる理由はココにある。日陰戦略は「問題解決が生み出す問題の解決」に軸足を置く。多くのライバルがファストファッションという日向に傾斜する中で、ユニクロは実用的な服という日陰に軸足を据えた。ファストファッションが達成した問題解決、短期の多品種少量生産で流行に素早く対応する、が結果的に品質や機能の問題を生み出したことが背景にある。成熟した競争市場にあって、目先のキラキラした収益機会を追いかける手なりの経営では持続的な差別化はおぼつかない。商機と勝機は日陰にある。日向にある機会の争奪戦は大企業に任せて、中小企業は日陰の問題解決に位置取りをしてみてはいかがだろうか。

 日陰戦略というとちょっと聞こえは良くないですが、当社が55年間やってきたことに通じます。
55年前、日が当たるどころか存在すらしなかった電気錠市場を創り、大手メーカーが進出してきてからはOEMで裏方に徹し、大手がやらない引戸用電気錠を創り、ニッチ市場でトップを目指してきました。
今、当社が大企業と同じ事をやってもぬきんでることは難しいでしょう。
しかし、日の当たる市場には必ず影ができます。つまり、大手では気づかない、手を出すには市場が小さすぎる、食べていける売り上げにならない、儲からないので、もう撤退してしまっている、といった市場が世の中には沢山あります。市場は小さくてもお客様は居られ、困っておられます。
古いと切り捨てられても使い続けるお客様が居られます。
当社はセキュリティ市場において、日陰戦略でしっかり収益を上げ、困っているお客様に喜んでいただく事を今までもやってきて、これからもできます。当社にはユニークな価値を創造する力があります。
日陰結構、落ち穂拾い結構、ニッチ結構、しぶとく、粘り強く今年も進んで行きましょう。
今月もありがとうございます。

日本電子工業株式会社 
山之口良子


三つの学びと時中

2018年01月29日 [ 社長コラム ]



新年を迎え、気がつけば一月経ちますね。
今月は、『致知』一月号特集「仕事と人生」より書きます。

漆芸家で人間国宝の室瀬和美さん。漆の道を歩んでいく上で最も刺激的な学びを得たのは、
蒔絵の人間国宝・松田権六さんだったと言います。
教えは本当にいっぱいありましたけど、特に私が後進に伝えているのは、ものをつくる作家として生きていくために必要な「三つの学び方」のお話です。
松田先生がおっしゃるには、学び方には三つの段階があって、まず第一段階は「人から教わる」ことだと。学校の先生や先輩、職人であれば師匠から直接教わる。そして第二段階は、「ものから教わる」。だいたいの人が、「先生から学んで、勉強になりました」で終わってしまうけれども、実はその教えてくれた先生も一世代前の人に教わったことを伝えてくれているわけだから、せいぜい、三代前くらいの技術しか教われない。ただ、例えば漆工芸では、千年前につくられた作品がいまなお腐らずに残っている。その千年前の技術や、途中で途絶えてしまった仕事を教えてくれるのは、人ではなく、作品そのものがいろいろな情報を出してくれるんだよと。ただ、「ものから教わる」といっても、ものが喋ってくれるわけではないですから、学生の私には全然ピンときませんでした。そして、最後の第三段階の学び方は、「自然から学ぶ」。人やものから学ぶことは あくまで先人や既に形あるものから教わることであって、自ら作品を創り出していくことには繋がらないと。要するに松田先生は、木々や風や日光など、四季折々に変化する自然から生まれるエネルギーをキャッチし、それを自分の表現にどう生かしていくかが、創作者として最も大事だと言うんですね。そして、平安、鎌倉、江戸時代の人も、それぞれ皆その時代に感じたものを表現しているのであって、彼らの真似をしてもしょうがない。君はいま生きている時代に感じたものを表現するんだと。

日本の誇る漆工芸は私は大好きです。なかなか高くて日常使いできませんが、お正月の重箱や屠蘇器くらいでしょうか。三つの学び方、というと、会長がよく言われる、守破離、という言葉にも通じます。
人から教わる、新人が先輩について真似しながら覚えていく、ものから教わる、過去の製品やシステムを見て、どうしてこの製品があるのか、どういうお客様のニーズにお応えして出来たのか考える、今の技術に照らして自分の製作意図を固め、今の時代と技術を盛り込んでいく。
自然から学ぶ、自然のエネルギーを掴んで、今の時代を読み、これから何が求められるのか、真剣に掘り下げ、自分が感じたり、こうしたい、こうつくりたいという思いを製品に込めて作り上げる。
四書五経の中で最古の易経には、時中(じちゅう)という言葉があります。その時に最適なことをすると、中る(とおる)、つまりうまく行く、それには自然に習いなさいとあります。
今に最も適した事を実行するとうまく行くが、単に流行に乗って一時上昇しても、流行によってうまく行かなくなるとも書かれています。今の私たちの時中はなんでしょう。頭絞って考えましょう。今月もありがとうございます。           

日本電子工業株式会社
山之口良子


大風呂敷を広げ、逆算の考えで進めていく

2017年12月28日 [ 社長コラム ]


今年もあと残すところ数日となりました。一年を振り返り、新しい年に夢をはせておられることと思います。今月は、日経新聞十二月十一日夕刊、三浦豪太、探検学校コラム「成功の裏に逆算の考え」について書きます。

 友人に誘われ、シンクロナイズドスイミング日本代表の井村雅代ヘッドコーチの講演を聴いてきた。指導者として夏季五輪のメダルを六大会連続で確保して日本をシンクロ強国にした功労者である。
井村コーチはメダル獲得を前提に全ての計画を立てる。遠い目標に達するために、その時々で何が必要かを考える。練習は選手が課題をできるようになるまでやる。練習時間が一日十二時間に及ぶこともある。選手がその意図と効果を理解するのはメダルを手にした後だったりする。この「逆算の考え」が興味深かった。まずただしたのは選手の「姿勢」だったという。まだ手つかずの選手達は背中を丸めている。シンクロは人が優劣を判断する採点競技だから、まず、胸を張って歩く、堂々と強者の姿勢を示すことで自分も周りも見る目が変わる。五輪のために楽曲を一から作った。選手が疲れている後半は手拍子が起きるようなリズムにして最後は爆発的な盛り上がりを印象づける。水着も身長差が目立たない色合いを考え、仕上げの装飾は選手の母親達に縫い付けてもらった。厳しい顔の裏に、選手一人一人に寄り添うコーチの姿があった。
 全てはメダルのために、「逆算の考え」を聞くうちに、僕の身近にも同じような考え方をする人が居ることに気づいた。父の三浦雄一郎だ。父も又「エベレストから直滑降する」 「八十才でエベレストに登る」 「八十五才でチョオユーをスキーで滑る」などとまずは大風呂敷を広げる。実際には不整脈や骨盤骨折でそれどころではなかったりするのだが、遠い目標を定め、そこに向かって鍛錬を重ねるうちに最後には辻つまを合わせて成功を手にする人である。札幌農学校(現北海道大)を開校した、ウイリアム・スミス・クラーク博士は 「少年よ、大志を抱け」と言った。だが志を立てるのに年齢は関係無いのだ。

三浦雄一郎さんはTVCMなどでよくご存知だと思いますが、息子豪太さんもスキー学校など幅広くスポーツ界で活躍しておられます。井村先生については過去何度かこのレターシリーズでも書いたことがあります。まず、ゴールにメダルありき、現状の足下を見て、そこまでの乖離を埋めながら、あるべき姿に近づけていく、逆算の考えで進めていくのです。まずは大風呂敷(大きな目標)、を広げる。今すぐ出来ないことも能力は未来進行形と捉えて出来ますと答える。それに向かって鍛錬を重ねる、つまり勉強して自分の技術を高める、場数を踏んで鍛える、できる自分に近づける。しんどい鍛錬、場数の中で確乎不抜の志を立てる、今は出来ないけれど、いつかこうなるぞ、いつかやるぞ、と心に念じる。すると、必ずその目標は達成できます。八十才でエベレスト、といった鉄人技はとても、という人でも、人生二度無し、自分がこの世の中に生まれたお礼をここに残す事はできます。自分に何ができるか、その志を新たに、新年を迎え、ご自身の人生も仕事も豊かに楽しんでいきましょう。本年も本当にありがとうございます。よいお年をお迎えください。
   
日本電子工業株式会社
山之口良子


プレッシャーがあるからこそ・・・

2017年12月15日 [ 社長コラム ]


早いもので十二月も半ばになりました。今月は、倫理研究所十一月今週の倫理より書きます。

プレッシャーがあるからこそ、人生はおもしろく、張り合いもあり、愉快でもある。
 圧力があるから、それに耐えるという張りが出てくるのであり、圧迫があるから、それを跳ね返そうという気力が湧く。威圧感があるから、それを利用したり、また抗しようとするこちら側の姿勢も強く出てくるのではないか。日常生活の中で自然に作られてくるプレッシャーはいくつもある。
親子、夫婦関係からくるもの、嫁姑、財産相続、病気、満員電車など数えあげればきりがあるまい。それに職場や学校など仕事や勉学の上でも、いくらでもプレッシャーは出てくる。
人間社会とはさまざまなプレッシャーが、いつでも起こり、苦しみ、悩むようになっているのだ。
問題はそうしたプレッシャーを、いかに乗り越え、いかに活用して人生に深い喜びをもたらす工夫をし、前進するかである。
毎日のように生ずる大、小のプレッシャーを、いかにわが身にこなして、養分に転ずるかである。
難しい時もあろう。押しつぶされそうになる時もあろう。しかし〈問題はここだ。このプレッシャーから英知を導き出すのだ〉と心にきざんで前進することである。
分をこえた大借金を背負って店もつぶれ、その日暮らしとなった。屋根裏に住み、食う物にも事欠くようになった。しかしまだこの身体がある。決心して清掃の仕事を始めた。まず道路のゴミを集め、落ちていたビニール袋につめ込んで「ありがとう、ゴミさんよ」と頭を下げる。
それを実行しているうちに、見ていた人があって「うちの荷物を向こうに運んでくれ」と頼まれた。
それがきっかけで正式に職につき、自殺をせずにすんだのである。似たような話はいくらでもある。
東京九段下でタチンボーという荷車押しをやって、それからそれへと仕事にありつき成功した大谷米太郎氏(1881~1966)の苦心談を知らない人は多い。今を時めくホテル・ニューオータニを興(おこ)したのは、この大谷氏に他ならない。
普通一般にはプレッシャーを押しのけようとしても、なかなか難しい。現に、ここに、こうしてあるプレッシャーなのだから、むしろそれを暖かく包み込んで、「ひとつ、よい知恵を授けてくれないか」と頭を下げて、そのプレッシャーに教えを乞うてみることだ。将来がどうなるか、そんな不安は後まわしだ。プレッシャーこそ、もっともよい先生なのである。

プレッシャーに教えを請う、知恵を授けてもらう、とは考えたことが無かったです。
確かに失敗に学ぶとか、適度なストレスは成長の元、とよく言われます。
プレッシャーから逃げようとする、ちょっと気の張ることは後回しにする等自分でやってしまっています。
こうなるとプレッシャーが更に大きくなって、避ければ避けるほど追いかけてきます。
一つがっぷり四つに組んで、胸を借りよう、先生よろしくお願いします、といった気持ちで体当たりすればよいと言うことですね。
大谷米太郎氏は、立志伝中の方とは聞いていましたが、この文章をよんで初めて調べました。
ホテルニューオータニだけでなく、鉄鋼業界の巨人で、大きな事業を一代で興し、現在も残っています。
思うように進まない仕事、時間が無くて完成度が低いまま出してしまう事など、プレッシャーや困難なことは毎日目の前にあります。楽しんでそこから学び、自らの器を広げていき、厚みもすごみもある仕事をやっていきましょう。
                           

日本電子工業株式会社
山之口良子


負の遺産は学びの宝庫。

2017年11月29日 [ 社長コラム ]


 あっという間に十一月、紅葉の美しい季節に歳の終わりが近づいてくると、気ぜわしいこの頃です。今月は十月二十五日倫理研究所、今週の倫理から書きます。

「経営の神様」と呼ばれた松下幸之助氏は、戦国の名三武将である織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の特徴が表われた歌を見て、「鳴かぬなら それもまたよし ほととぎす」と詠ったと言います。
そして、社員に対し、「自分は、信長、秀吉、家康よりも偉い」と語ったそうです。
自身を三武将よりも「偉い」と言った松下氏は、信長の良いところを社員に伝えました。
次に、「秀吉はもっと偉い。それは、信長の良いところと悪いところを学んで活かしたから、秀吉のほうが信長よりも偉い」と言い、続けて、「秀吉よりも、家康のほうがもっともっと偉い」と語りました。
この内容を読んでおわかりのように、松下氏は「三武将の良いところと悪いところを学んで経営に活かしたから、自分は偉いんだ」と社員に伝えたかったのです。
これだけの話であれば、単なる社長の自慢話で終わってしまいます。しかし、この話には続きがあるのです。
「けどな、キミの方がもっと偉くなれるんや。信長と秀吉と家康とボクの良いところと悪いところを勉強して、仕事に活かせばええんや、だからキミが一番偉くなれるんや」と言ったのです。
つまり、先人の成功体験と失敗体験を学び、社長である自分をも反面教師として、自己を成長させる糧にしなさいということを社員に伝えたかったのです。人により価値観は多様です。
しかし、今まで自分が知っていたことであっても、捉え方を変えることによって、それが新たな学びに変わることもあります。松下氏のエピソードは、それを示してくれているのではないでしょうか。
本は、今を生きる私たちがより良い人生を歩むために、先人が遺してくれた人生訓です。
書物を通して新しい発見や気づきを得て、新たな人生の一ページを築いていきましょう。

さすが幸之助さん、たとえ話も秀逸です。
この論法で行くと、どこの会社でも、毎年入社する新人が一番勉強できるという事です。
先人に学ぶ、と良く言いますが、ともすれば良い事成功した事のみ着目しがちです。
失敗も駄目な点も学びです。歴史の中で、プラスの遺産も負の遺産もあります。
プラスの遺産は更に増やす、負の遺産はゼロまで持ってきて、更にプラスに転じる事が私たちの仕事です。
当社の場合、今は負の遺産がまだまだあります。これは学びの宝庫です。
考えるチャンスの山、成長の糧です。
あの西郷隆盛は子孫に美田を残さずと言ったとか・・・
つまり、苦難や課題を沢山残し次に渡すと、次世代が一生懸命解決しようと努力し、
さらに上のステージへ行けるという意味でしょう。
赤ん坊は何度転んでも歩くことを諦めず、必ず歩けるようになります。
私たちもそれにならって、七転び八起き、九転十起、転んでもただ起きない精神で進みましょう。
今月もありがとうございます。


日本電子工業株式会社
山之口良子


PAGE TOP