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JALとトヨタのPDCA

2024年03月28日 [ 社長コラム ]


世間では年度末で慌ただしい
変化の節目の時期です。
今月は日経新聞2月10日オピニオン欄
「JALとトヨタのPDCA」について書きます。
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JALの12人のパイロットと客室乗務員が
日頃の訓練の成果を発揮した。素晴らしい。
1月2日に羽田空港で起きた航空機同士の
衝突事故で、炎上したJAL機から
全員無事脱出できたことについて
ANA片野坂会長がライバル社の現場社員を
称えていた。
航空会社は世界で最も失敗が許されない
職場の一つだ。ヒヤリハットは何千回も
あるものだ。ではなぜ事故を防げるのか、
エラーが生じても安全装備や行動マニュアル
によって何重にも挽回のチャンスが
用意されているのだそうだ。失敗をさせない
ではなくて事故に結びつけないというのが
空の安全の発想であり、
世界中の航空会社がそれに立脚した
独自のPDCAを絶えず磨き続けている。
他の業種では挽回の機会が用意されている
だろうか。日本では相変わらず製造業を中心に
不祥事が続いている。ダイハツ工業、豊田自動織機も
そこに含まれる。不正の背景として受託体質を
あげている。受託側には受動性の高さという
裏腹の弱みもあり、硬直性という変革の足かせに
転じるリスクが内在すると、政府のものづくり白書に
指摘されている。トヨタもグループ企業もPDCAは
日常的に使うと聞く。しかし、その感知機能に
異変の兆候が長らく引っかかってこなかった。
PDCAはそもそもデミング氏の考えを土台に
日本で考案された手法だ。
「失敗の本質」などの著作で知られる
野中郁次郎一橋大学名誉教授は、ともすれば
機械的、直線的な繰り返しに陥りかねない
側面にかねて注意喚起している。
重要なのは内発的動機付けだと野中氏は話す。
人間のモチベーションの源泉は外的、または
物質的なインセンティブ(動機付け)や
罰則ではなく、体の内側からふつふつとわき上がる
心理的な欲求であり、PDCAも使い方を誤ると
過剰な計画と規則で自律的な想像力を
毀損してしまう。
計画→実行→評価→改善のサイクルが
末端の現場の士気を下げてしまっては元も子もない。
効率や能率を超えて、技術革新と
絶えざる自己変革を呼び込んでこそ、
本来のPDCAと言える。
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JALの事故、トヨタやダイハツの不正、
なにやら他人事とは思えません。
トヨタやダイハツのような立派なメーカーが
なぜそのような不正を黙認していたのか、
現場の人たちはどんな気持ちで仕事をしていたのか
自浄作用はないのか、疑問だらけです。
優秀な人たちも言われたとおりにやることに慣れ、
自分たちの仕事に対するモラルは
置き去りなのでしょうか。決して他人事ではありません。
JEIの製品はお客様の命と財産をお守りするものです。
お客様から信頼していただけないと
明日から仕事ができません。
上から言われなくても動く、やる。
正しいことを正しくやる。
理念を胸に、技術を磨き心を磨き、
自分で考え正しく行動していきましょう。
今月もありがとうございます。
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株式会社JEI
山之口良子


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