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日本人の底力

2016年07月30日 [ 社長コラム ]


今月は、六月二日 日本政策金融公庫 大阪南友の会講演会、
元NHKエグゼクティブプロデューサー今井彰氏、日本人の底力、プロジェクトⅩに込めた思い について書きます。
 
 プロジェクトⅩは一九六本作った。一五〇〇万人が見た。子供に見せたいTV番組ナンバーワン。
確信に近い思い、日本は、中核にいるリーダーが作ってきたのではない。
戦後日本は世界に類のないすさまじい状況。
破壊、がれきの中から日本を築いてきたのは各地を生きた人々。数千万のプロジェクトの上に今がある。
昭和三〇年代、未来が保証された会社は一社もなかった。日本橋の東京通信工業、二〇名の会社。
開発意欲に燃えた人が集まる。昭和三〇年ラジオを作り海外へ飛び出す。欧米で全く売れず、当時メイドインジャパンは粗悪品の代名詞。
俺たちのラジオは良い物だったんだろ、良い氷なら北極でも買ってくれるだろうと叱咤した。
 その後、ソニーと社名変更した。ホンダは一三名の町工場、川島清は一三番目の社員だった。
油まみれの小さな工場だった。マン島レースに出場して入賞。たたき上げリーダーにより世界に出る。
 トヨタは昭和三〇年中京の一トラックメーカーだった。
二度の経営破綻、銀行の協調融資で生き延びた会社。成功とは挑戦した人にのみ与えられる。
 プロジェクトⅩはやっと通った企画。初めから恵まれない番組だった。
部下六名。普通の三分の一の人数。この番組はすごく手間がかかる。無名の英雄を訪ね歩き、資料を集める。毎日会社に泊まり込み。三ヶ月半の準備期間、一四キロ体重が減った。NHKのダイエットⅩと言われていた。無名の英雄、本物だった。この番組をやり抜きたい、強い味方が欲しい。自分が大ファンだった中島みゆきに主題歌を依頼した。
 うまく行かないとき、ホームにて―を聞いてすっきりした。弱者目線を持っている。彼女の所属であるヤマハに依頼したら断られた。仕方ないので直接手紙を書いた。日本のものづくりの現場にはこんな人達が居る、と切々と訴えた。すると、彼女から、知りませんでした、お引き受けしますと。彼女が紅白で黒部ダムにて地上の星を歌ったとき、紅白史上最高視聴率だった。彼女が一番厳しい場所で歌いたいと強く希望した。
 黒部ダムのプロジェクトⅩを放送した後、全国の若者が黒部に向かった。
大阪に電力を供給するための、大工事、困難を極めた。一九一名が亡くなった。
湾岸戦争の戦場ドキュメントを作り賞をもらい、道が開けた。エイズ患者の血液製剤被害を描いた、埋もれたエイズ報告を製作。エイズ裁判で証拠として法廷で上映された。
 日本ビクターの高野社長の話、かつて会社のお荷物と言われながら、ビデオVHS開発を続けた。苦しみを乗り越えて開発に成功し、会社を救った。もしプロジェクトに失敗したらみんなに渡そうと松の盆栽を二七〇鉢作っていた。
高野が亡くなり、霊柩車がかつての職場である日本ビクターの工場前を通るとき、全社員が表に出て、拳を握りしめて悲しみをこらえて見送る姿、に心を打たれた。また、この映像はかつての部下が撮影したものだった。

 ともに逆境を生きた仲間だった。不調になったら人は去っていく、逆境の仲間は何よりもかけがえ無い。
 高野さんのように権力ではなく感動によって人を動かすのが真の経営者、リーダーでは無いのか。
 客の喜びを自分の喜びと思えない営業マン、技術マンに何が作れるのか。
 経営者、リーダーの心が枯れ果てていたらどうなるのか。もう一度自分たちの歴史を振り返って欲しい。
 日本人以上の勇気ある民族が世界に居るのか?自信を持って進んで欲しい。
 思いは叶う、努力する人間を運命は裏切らない。逆境の中でも必ず道は開ける。
                                
 皆さんもプロジェクトⅩを覚えておられるでしょう。私も良く見ていました。
地上の星が流れてくると、なぜか涙ぐんでしまうのは条件反射でしょうか。
何気なく自分たちが使っている製品にも苦闘の歴史がある、
当たり前と思っている事も、先人達の努力の上に成り立っている、無名の英雄達が残してくれたものの上に私達は生きています。
 一番身近な英雄は誰でしょう?ご両親、ご先祖様ではないですか。無名かもしれない、でも、私達をこの世に生み出してくれた両親、その両親はその両親から生まれた、その切れ目無い命の連鎖の一番端っこにいるのが私達です。
 会社ではどうでしょう。創業者、創業から社業を支えてくれた沢山の従業員の方々、そのご家族、協力業者の皆さんがあってこその今のJEIなのです。
人生も会社も順風満帆な時ばかりではありません。逆境こそが人を事業を強くします。私達は、今、高い目標を目指しています。高い目標すなわち高い社会貢献を目指しています。
 人間生まれたからには人の役に立つ製品、サービス、歴史に残る製品、地図に残る仕事、を生み出したいですね。
私達は安心安全をお届けする、命を守る技術を拓くJEIですから、仕事=社会貢献という幸せな領域に居ます。
でもフツーにやっていてもフツーな仕事しか生まれません。
誰にも負けない努力をする、誰にも負けないお役立ちの精神で仕事をする、と運命は裏切りません。
思いは必ず叶います。みんなで大きな目標に挑戦し続けましょう。今月も有り難うございます。


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日本電子工業株式会社
山之口良子


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