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過去の技術に学ぶ

2016年09月28日 [ 社長コラム ]


 今月は、新鋭経営会7月 ある老舗企業の改革のお話について書きます。

 30億円もの赤字を計上し危機的状況にあった老舗企業を、最先端企業に変遷させるべく取り組んだ経営改革の軌跡、復活の起爆剤となった商品の今後の展開についてのお話でした。
 ある商品の売上1980年に38億だったのが、2005年には3億円と全盛期の10分の1以下になった。先人が築いた企業ブランドへの過信、老舗病、殿様意識に侵され機能不全に。
営業は卸すだけ、開発は新商品開発スピードの低下、組織は新発想が生まれない風土、当事者意識の欠如、危機感の無さが蔓延。まず、ゆでがえるを目覚めさせる。老舗企業ならではの埋もれている企業資産の発見と技術へ。
シロアリ駆除擬似卵型カプセル、レアメタル回収カプセル、環境浄化の微生物カプセルなど様々な用途へ展開。アカデミア向けにカプセル化受託サービスを開始。
単純な委託だと向こうに果実が行ってしまう、初めからうちも権利をいただく、独占的にうちから買ってもらう確約を取る。中身の権利は向こう、カプセルはうち、パテントは共同。こちらからチャレンジして多くの権利を取るところから始める。先手を打つ。
大手はこちらの主張が弱くなる、うちの権利をキチンと伝える、後から言うともめる。新たな発見があったら、世界にどう打って出るかまで考えておく。
 歴史有る企業には半分寝ている技術があるのではないか。頭を柔らかく、そんなものダメ、ではなく、妄想する。ゴールから方法論を考える。

ある大阪の老舗企業、皆さんにもおなじみの会社ではないでしょうか。老舗企業は古いが故の病に悩んでいるようです。新しい発想が生まれない、開発スピードが遅い、これはもう死に体です。過去の貯金だけで生きているだけです。
こうなる前に自分で気付かなければなりません。気付いたら改善できます。気付かなければ死にます。身の回りに寝ている技術、資産はないでしょうか。歴史の中から引き出せるものはないでしょうか。
過去やっていたが、今やっていない、でもやることに意義があったよね、と言うことはないですか。また、共同開発で出口を見据えた戦略も学ぶべきです。始めから最終形を見据えた交渉を先にしておく、正当な果実を正当に分け合うという論理は非常に合理的です。
ある老舗企業は生き返りました。皆さんは何でブレイクしますか?

今月も有り難うございます。

日本電子工業株式会社  山之口 良子


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