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負の遺産は学びの宝庫。

2017年11月29日 [ 社長コラム ]


 あっという間に十一月、紅葉の美しい季節に歳の終わりが近づいてくると、気ぜわしいこの頃です。今月は十月二十五日倫理研究所、今週の倫理から書きます。

「経営の神様」と呼ばれた松下幸之助氏は、戦国の名三武将である織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の特徴が表われた歌を見て、「鳴かぬなら それもまたよし ほととぎす」と詠ったと言います。
そして、社員に対し、「自分は、信長、秀吉、家康よりも偉い」と語ったそうです。
自身を三武将よりも「偉い」と言った松下氏は、信長の良いところを社員に伝えました。
次に、「秀吉はもっと偉い。それは、信長の良いところと悪いところを学んで活かしたから、秀吉のほうが信長よりも偉い」と言い、続けて、「秀吉よりも、家康のほうがもっともっと偉い」と語りました。
この内容を読んでおわかりのように、松下氏は「三武将の良いところと悪いところを学んで経営に活かしたから、自分は偉いんだ」と社員に伝えたかったのです。
これだけの話であれば、単なる社長の自慢話で終わってしまいます。しかし、この話には続きがあるのです。
「けどな、キミの方がもっと偉くなれるんや。信長と秀吉と家康とボクの良いところと悪いところを勉強して、仕事に活かせばええんや、だからキミが一番偉くなれるんや」と言ったのです。
つまり、先人の成功体験と失敗体験を学び、社長である自分をも反面教師として、自己を成長させる糧にしなさいということを社員に伝えたかったのです。人により価値観は多様です。
しかし、今まで自分が知っていたことであっても、捉え方を変えることによって、それが新たな学びに変わることもあります。松下氏のエピソードは、それを示してくれているのではないでしょうか。
本は、今を生きる私たちがより良い人生を歩むために、先人が遺してくれた人生訓です。
書物を通して新しい発見や気づきを得て、新たな人生の一ページを築いていきましょう。

さすが幸之助さん、たとえ話も秀逸です。
この論法で行くと、どこの会社でも、毎年入社する新人が一番勉強できるという事です。
先人に学ぶ、と良く言いますが、ともすれば良い事成功した事のみ着目しがちです。
失敗も駄目な点も学びです。歴史の中で、プラスの遺産も負の遺産もあります。
プラスの遺産は更に増やす、負の遺産はゼロまで持ってきて、更にプラスに転じる事が私たちの仕事です。
当社の場合、今は負の遺産がまだまだあります。これは学びの宝庫です。
考えるチャンスの山、成長の糧です。
あの西郷隆盛は子孫に美田を残さずと言ったとか・・・
つまり、苦難や課題を沢山残し次に渡すと、次世代が一生懸命解決しようと努力し、
さらに上のステージへ行けるという意味でしょう。
赤ん坊は何度転んでも歩くことを諦めず、必ず歩けるようになります。
私たちもそれにならって、七転び八起き、九転十起、転んでもただ起きない精神で進みましょう。
今月もありがとうございます。


日本電子工業株式会社
山之口良子


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