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三つの学びと時中


新年を迎え、気がつけば一月経ちますね。
今月は、『致知』一月号特集「仕事と人生」より書きます。

漆芸家で人間国宝の室瀬和美さん。漆の道を歩んでいく上で最も刺激的な学びを得たのは、
蒔絵の人間国宝・松田権六さんだったと言います。
教えは本当にいっぱいありましたけど、特に私が後進に伝えているのは、ものをつくる作家として生きていくために必要な「三つの学び方」のお話です。
松田先生がおっしゃるには、学び方には三つの段階があって、まず第一段階は「人から教わる」ことだと。学校の先生や先輩、職人であれば師匠から直接教わる。そして第二段階は、「ものから教わる」。だいたいの人が、「先生から学んで、勉強になりました」で終わってしまうけれども、実はその教えてくれた先生も一世代前の人に教わったことを伝えてくれているわけだから、せいぜい、三代前くらいの技術しか教われない。ただ、例えば漆工芸では、千年前につくられた作品がいまなお腐らずに残っている。その千年前の技術や、途中で途絶えてしまった仕事を教えてくれるのは、人ではなく、作品そのものがいろいろな情報を出してくれるんだよと。ただ、「ものから教わる」といっても、ものが喋ってくれるわけではないですから、学生の私には全然ピンときませんでした。そして、最後の第三段階の学び方は、「自然から学ぶ」。人やものから学ぶことは あくまで先人や既に形あるものから教わることであって、自ら作品を創り出していくことには繋がらないと。要するに松田先生は、木々や風や日光など、四季折々に変化する自然から生まれるエネルギーをキャッチし、それを自分の表現にどう生かしていくかが、創作者として最も大事だと言うんですね。そして、平安、鎌倉、江戸時代の人も、それぞれ皆その時代に感じたものを表現しているのであって、彼らの真似をしてもしょうがない。君はいま生きている時代に感じたものを表現するんだと。

日本の誇る漆工芸は私は大好きです。なかなか高くて日常使いできませんが、お正月の重箱や屠蘇器くらいでしょうか。三つの学び方、というと、会長がよく言われる、守破離、という言葉にも通じます。
人から教わる、新人が先輩について真似しながら覚えていく、ものから教わる、過去の製品やシステムを見て、どうしてこの製品があるのか、どういうお客様のニーズにお応えして出来たのか考える、今の技術に照らして自分の製作意図を固め、今の時代と技術を盛り込んでいく。
自然から学ぶ、自然のエネルギーを掴んで、今の時代を読み、これから何が求められるのか、真剣に掘り下げ、自分が感じたり、こうしたい、こうつくりたいという思いを製品に込めて作り上げる。
四書五経の中で最古の易経には、時中(じちゅう)という言葉があります。その時に最適なことをすると、中る(とおる)、つまりうまく行く、それには自然に習いなさいとあります。
今に最も適した事を実行するとうまく行くが、単に流行に乗って一時上昇しても、流行によってうまく行かなくなるとも書かれています。今の私たちの時中はなんでしょう。頭絞って考えましょう。今月もありがとうございます。           

日本電子工業株式会社
山之口良子

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