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商機と勝機は日陰にあり

2018年02月28日 [ 社長コラム ]


年があらたまって早二ヶ月が過ぎ、仕事の充実した季節になりました。今年も健康一番で力一杯やりましょう。今月は日本政策金融公庫、中小企業だより、経済風向計コラム、商機と勝機は日陰にあり、について書きます。

競争戦略とは何か。一言で言うと、競合他社との違いを作ることだ。他社がすぐに真似しない、できない違いを創り、持続的な競争優位を構築する事に本領がある。従来の戦略は、決まって、模倣障壁という概念を持ちだしてくる。競合他社も必死で模倣障壁を乗り越えてくる。豊かな資源を抱えている大企業がどうしても有利になる。従来の障壁に変わる持続的な差別化の論理は何か。「日向対日陰」という切り口が手がかりになると考えている。いつの時代も旬の事業機会がある。(最近だとフィンテックやAIやIoT)その時点で脚光を浴びている日向をストレートに攻めるよりも、日差しが創る日陰に身を置く商売にこそ妙味がある、というのがここでの主張だ。十九世紀のゴールドラッシュ時代の「金鉱掘るよりジーンズ売れ」は日陰戦略の古典的な例だ。一攫千金を夢見た人々がカリフォルニアに殺到したが、やがて金はつきてしまい、安定的に利益を獲得したのは、押し寄せる金鉱堀に生活必需品(ジーンズなど)を売った商人だった。日陰戦略の美点は競合に対する障壁や防御を必要としない事にある。敵がやりたいけれど出来ないのではない。そもそもやる気が無いのである。ライバルによる直接競争の忌避、ここに競争優位の鍵がある。日陰にはユニークな価値を創造する可能性がある。あらゆる顧客価値の本質は問題解決にある。日向戦略は新しい技術や市場の機会を捉えて顧客の問題を解決しようとする。しかし、問題解決は常に新しい問題を生み出す。いつまでたっても全ての問題が解決されず、たえず新しいニーズが出てくる理由はココにある。日陰戦略は「問題解決が生み出す問題の解決」に軸足を置く。多くのライバルがファストファッションという日向に傾斜する中で、ユニクロは実用的な服という日陰に軸足を据えた。ファストファッションが達成した問題解決、短期の多品種少量生産で流行に素早く対応する、が結果的に品質や機能の問題を生み出したことが背景にある。成熟した競争市場にあって、目先のキラキラした収益機会を追いかける手なりの経営では持続的な差別化はおぼつかない。商機と勝機は日陰にある。日向にある機会の争奪戦は大企業に任せて、中小企業は日陰の問題解決に位置取りをしてみてはいかがだろうか。

 日陰戦略というとちょっと聞こえは良くないですが、当社が55年間やってきたことに通じます。
55年前、日が当たるどころか存在すらしなかった電気錠市場を創り、大手メーカーが進出してきてからはOEMで裏方に徹し、大手がやらない引戸用電気錠を創り、ニッチ市場でトップを目指してきました。
今、当社が大企業と同じ事をやってもぬきんでることは難しいでしょう。
しかし、日の当たる市場には必ず影ができます。つまり、大手では気づかない、手を出すには市場が小さすぎる、食べていける売り上げにならない、儲からないので、もう撤退してしまっている、といった市場が世の中には沢山あります。市場は小さくてもお客様は居られ、困っておられます。
古いと切り捨てられても使い続けるお客様が居られます。
当社はセキュリティ市場において、日陰戦略でしっかり収益を上げ、困っているお客様に喜んでいただく事を今までもやってきて、これからもできます。当社にはユニークな価値を創造する力があります。
日陰結構、落ち穂拾い結構、ニッチ結構、しぶとく、粘り強く今年も進んで行きましょう。
今月もありがとうございます。

日本電子工業株式会社 
山之口良子


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