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企業経営と型

2022年09月28日 [ 社長コラム ]


今月は、二〇二一年五月、
日経新聞「明日への話題」コラム
俳人の黛まどかさんの
「企業経営と"型"」について書きます。
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鎌倉時代から続く小笠原流の弓馬術では準備運動はしないという。
翻せば、日常生活が既に準備運動なのだ。
戦国武将達は陣触れが出たら、常に即対応することが求められた。
そのためには日頃の立ち居振る舞いの中で行動規範(プリンシプル)を身につけておく必要がある。
その方法が武術、茶道、芸能などに共通する「型」の反復練習だ。
日本の伝統文化が「型」を身体に覚え込ませるのは、行動規範を身につけ、「想定外」への対応力を高めるためだ。
「型」は束縛では無く、むしろ一度体得すれば、自由に応用できる。俳句も同じだ。
「型」があればこそ、たった一七音節で壮大な世界を描くことができるのだ。
企業経営についても言えると思う。
トヨタの生産現場では、一人一人が「型」の習得を通して行動規範を身につけ、
自ら判断して行動できるようにしているという。
企業の活動においては、常に想定外が生じる。
そのたびにマニュアルやルールを追加していてはきりがない。
ルールでがんじがらめになり、かえって考える力や判断力を失うことになる。
茶道では、道具を置く位置などが全て細かく決められている。
入門当初は窮屈と感じるが、稽古を積み「型」が身体に入ると、
それが最も動きやすく且つ最も美しいことに気づく。
紆余曲折の結果行き着いた"モデル"、それが「型」なのだ。
世の中全体に型崩れ・型無しの傾向が強い今こそ、
企業も日本の伝統である「型」を武器に世界に打って出て欲しい。
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武道や茶道、華道やクラシックバレエなど経験された方々はよくわかる話です。
基本の型や動作をいやというほど反復練習させられ、
そこで嫌になって辞める人も多いです。
私も習っていたはじめは全く理解できず、面白くなかったです。
武道もバレエも基本的な身体操法、身体の軸を安定させる事など共通しています。
なぜならそれが最も合理的、つまりエネルギー最小で最大の効果が上げられ、
且つ美しいからです。
あまたの先人達の失敗の連続から編み出された合理的手段に高められています。
自分たちの仕事に引き当ててみましょう。
ビジネスマンとしての基本動作、報告連絡相談はできているかな、
仕事のPDCAは回しているかな、特にPlan計画は大切です。
計画がはじめから無いのは型無しです。
振り返って、昨日よりも今日、今日よりも明日、
もっと良くしていく対策を取っているかな。
周りの仲間と協力できているかな、情報を共有できているかな、
美しい挨拶で相手に気持ちよくなってもらえているかな、
仲間に声かけできているかな、身だしなみはどうかな。
若手もベテランも一度立ち止まって点検してみよう。
仲間に点検してもらいましょう。
不測の事態にもたじろがず、いつ陣触れが出ても、いざ鎌倉、と出動できて
ベストなパフォーマンスを発揮できるよう備えるには
日頃の型の訓練の積み重ねがものを言います。
今月もありがとうございます。
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株式会社JEI
山之口良子


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