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環境が変わる経験こそ災害大国に不可欠

2022年11月28日 [ 社長コラム ]


今年もあとひと月となり、町の木々が葉を落とし
少し寂しい気分になる季節になりました。
今年やり残したことが無いかの確認をしておられると思います。
今月は日経ビジネス二〇二二年四月号養老孟司氏インタビュー、
環境が変わる経験こそ、災害大国に不可欠 について書きます。
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今は転勤を好まない人が多いようですね。
現状を変えたくない。これは多くの人が感じる自然の摂理です。
だって、楽ですから。変えないのが一番楽なんです。
でも人って、本当に変わらないものでしょうか。
人の細胞だって数年で全てが入れ替わります。
食べ物の好みも年を取れば変わっていく。
変わっていない、あるいはこれからも変わらないというのは
幻想でしかありません。変わっていくのが人生なんです。
変わるのが嫌だというのは、実は未来の可能性を狭めているのです。
定年後の生き方などを考えれば、自ら狭くしない方が良いと思いますよ。
会社などの組織の方針で人生を決められるのは嫌だとか、
今住んでいるところ以外には住みたくないと思うかもしれません。
でも、考えてみてください。日本は災害大国です。
東南海地震など、日本には「必ず」災害が起こる。
その未来が見えている。
住むところを含めた「変わらないこと」への固執は、
急激な変化に対する打たれ弱さに繋がります。
変わらない世界だけを見ている人達だけで、
こんな災害を果たして乗り越えられるでしょうか。
今のことにしか目が行かないし、考えない。
何か起こったら、その時考える。
こんな人達に、復興など災害の後の社会をどう構築するかを考えられるわけがありません。
そういう意味で自分の考えた道筋と違う道を歩まざるを得なくなったときの経験は、
長い人生のどこかで役立つでしょう。
日本は東西だけでも、自然はもとより言葉や慣習など文化的な違いが多い。
けれど、今の社会はそういった違いはないものにしたい、
あるいは気づかせるのを止めています。
どこも同じと思い込みたいし、思い込ませたい。
転勤は、そういった違いに気づくきっかけになるのでは無いでしょうか。
「会社に人生を決められたくない!」なんて人も居ますが、
だったら会社に勤めなきゃいい。そう思いますがね。
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「バカの壁」などの著書で有名な養老先生のお話、
軽妙でユーモアありますが、ドキッとする指摘があります。
「転勤」を「人事異動」「席替え」「移転」「引っ越し」「変化」などに
読み替えてみると、身近になります。
新しい発想を得たい場合、つきあう人を変える、旅行に出る、
住むところを変える、本を読む、のが効果的と言われます。
要は今までの変化の無い帰宅部的生活や環境から少し離れるということです。
でも、人間、毎日同じ道を通って出勤し、同じ飲み物を飲んで、
同じ会社の同じ席に同じメンバーと同じ会話をする、毎日になりがちです。
これでは刺激がありません。変化を誘発するモノはありません。
今のモノにしか目が行かない、考えないのは逆に言うと、
変化が嫌なので、変わらない刺激の無い世界に固執している、
これ以上成長しなくて良い、楽だから、ということです。
これでは宇宙の意志、全てのモノが良い方向に発展成長していく気、
他力の風を受けて前進することができません。
これは年齢は関係ありません。若かったら変化できると一概にも言えません。
本当に勿体ないことです。
すこし視線を遠くにはせて、あんな風になってみたい、
あの世界に行ってみたい、あの景色が見たい、と一歩踏み出してみませんか。
違う世界が広がります。
決して一度であこがれの世界には行けません。
何度もトライして変化をおそれず、ああなりたい、と夢を持ち、
語り続け、歩き続けると、気づいたら到着しています。
下から見上げていた景色が眼下に広がります。
人間、常に意識しないと現状に安定安住してしまいます。
つまりそれは進化発展の機会損失であり、退歩の始まりです。
人生二度無し、新しい環境、新しい仕事、新しい仲間と
新しい挑戦を意識して求め、実行していきましょう。
今月もありがとうございます。
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株式会社JEI
山之口良子


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