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ソニーはスズキを超えるか

2023年10月27日 [ 社長コラム ]


ようやく過ごしやすい季節となりました。
今月は日経新聞6月29日オピニオン欄、
「ソニーはスズキを超えるか」について書きます。
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インド外相による、「インド外交の流儀」日本で
よく読まれている。民主主義陣営に身を置きながら
中国やロシアとの関係も重視するインドの行動原理
をわかりやすく解き明かしている。諸王国間の対立
が多数出てくる古代の叙事詩「マハーバーラタ」は
モディ首相をはじめ外交当局者が読み込み、現状
分析に使っているとの話も興味深い。
インド、難易度の高い市場の一つ、親日傾向が
指摘されるのに大きく成功した日本企業はスズキ
くらいしか思い浮かばない。紆余曲折ありながら
インドは22年、日本を抜いて世界三位の自動車
市場になった。インドの成長を自社の成長に取り
込むことに見事に成功したわけだ。
リスクは高いがチャンスも大きい。そんな市場に
軸足の一つを置こうとするのがソニーグループだ。
成長キーワードを「ゲーム、アニメ、インド」と
位置づけ経営説明会にもインドの娯楽事業責任者
をわざわざ呼んだ。かつてのIBMのインド戦略を
思い出す。主要国のグローバル企業はそれまで
どこで何をつくるかに力点を置いていた。IBMは
地球規模で何をするかに視点を変え、インドを
ソフトウエア開発やコールセンター機能を任せる
オフショアリング先(国外移転)と位置づけた。
ソニーはスズキのような内需開拓型とIBM の
地球規模型の両方をにらんでいるように思える。
現地ネット経由コンテンツ配信企業などと経営統合
を進めている。AIで自動翻訳する技術開発拠点を
インドに設立し、生番組を含めて字幕を様々につける
他社には無い技術を導入した。地方言語、公用語が
わからない層にも楽しめるコンテンツを増やす。
先にあるのは人口14億人のインド市場統一だ。
インドで成功すれば、他の新興国や途上国からも
似た戦略が展開できるかもしれない。グローバル
サウスから狙う逆転劇といえばいいか。世界で
流通してきた英語コンテンツの独壇場に一石を
投じられるならインドなどの実利に沿う可能性
がある。英語を母国語とする国とそうでない国の
間でコンテンツを巡る競争条件は次第にフラット
になる可能性がある。非英語圏の企業にとって
ビジネス全般における英語の壁が少しずつ解消
されていく可能性だ。GAFAMの独壇場を非英語圏
企業が突き崩していく可能性もゼロではない。
地政学と技術の潮流が読み解ければ、世界を舞台に
日本企業が意欲的な構想を持ち込み、別次元の
地球儀経営を実現できるかもしれない。
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インド、遠い国ですね。お釈迦様のふるさと、
仏教発祥の地、ゼロを発見したブレークスルーの国で
もあります。中国を抜いて世界一の人口になりました。
中国よりも論理的、合理的なのかもしれません。
多言語で国内の意思疎通が難しい国の一つでもあり、
身分制度、宗教上の壁も大きいです。今や米GAFAM
だけでなく、日本のIT企業にもインド人の技術者が
多数おられます。町の中でインド料理屋さんをよく
見かけるのもその影響でしょうか。注目したいのは
英語圏企業とのコンテンツ競争の壁はフラットに
なりつつある、非英語圏企業が巨大IT 企業の壁を
崩していく可能性が高まっている、日本企業にも
チャンスがある、ということです。日本企業が
地球儀経営を実現するということは市場が国内だけ
でなく、世界中、先進国だけで無く、グローバル
サウスから発展途上国、後進国まで広がるという
ことです。社会課題の解決と事業の発展を両立
できる場面が増えるということです。その端っこ
にJEIも居たいです。ゲームやコンテンツビジネス
を取り入れた広い意味でのセキュリティシステムや
機器を考えれば、直感的に操作可能となり、発展
途上国にも受け入れられるかもしれません。
海外にも出かけて、視野を広げ、地球が市場だ
という視点で見ていきたいものです。
今月もありがとうございます。
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株式会社JEI
山之口良子


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