コップに半分入っている
2024年12月13日 [ 社長コラム ]
今回は2023年6月致知
佐藤等ドラッカー協会代表理事
仕事と人生に生かすドラッカーの教え
「コップに半分入っている」について書きます。
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ドラッカーの著書、
「イノベーションと起業家精神」2007年
コップに「半分入っている」と
「半分空である」とは、量的には同じである。
だが、意味は全く違う。
取るべき行動も違う。
世の中の認識が、半分入っているから
半分空であるに変わるとき、
イノベーションの機会が生まれる。
易経に、君子は機を見て作ち、
日を終うるを俟たず、つまり、
兆しがどんな結果を教えているかを
知るものはそれを見てすぐさま行動し、
一日とおかずに処理することができる。
兆しを放置すると大禍に至ることも
ありますが、適時にこれを利用すれば
新たな事業機会ともなります。
イノベーションとは世の中に
新しい価値を提供することです。
コロナ禍で失われた市場や資材の高騰など
大変な環境にあって賃上げを行いながら
経営を続けることは難事です。
唯一の処方箋は事業が生み出す価値を
継続的に高めていくことです。
京大元総長平澤興先生曰く、
「情熱と独創と実行が無ければ
仕事をしているとは言えない」
自分はその作業の知識を用いる専門家だ
という自覚が情熱を生む。
与えられた仕事に命をかけて
よりよき道を見つけること、
絶えず新しいことを考えて
創造することが独創を生む。
実行とは覚悟を決め、腹を据えて
目標に向かって進むことである。
実行により成就する。今の日本は半分空なのです。
しかしこの苦境を乗り切った先に
人生の賜が待っています。
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コップに半分水が入っていると思うか、
半分しか無いと思うか、捉え方により
その人の思考の限界が決まる、というお話は
私は周りによくしています。
同じ現象ですが見方考え方で
次の一手が変わります。
ドラッカーの言葉は更にこれを進め、
半分空である、つまり挑むべきチャンスは
まだまだある、まだ半分しかやってない
という風に取れます。
そう思うと、ここで足踏みしたり
行き止まりだと考えるのは勿体ない、
打つ手はまだまだある、と言う気持ちになれます。
半分空である、と思うとワクワクしてきます。
資格試験に挑戦する、古典を読む、
業界の研究をする、人の話を聞く、
旅行に行く、本を読む。
自身のリスキリングを常に行い価値を高めると
仕事の価値を高めることができます。
企業は人なり、人が企業を興すのです。
半分空である、もう半分にご自身の
情熱、独創、実行を注入し
果実を得ていきましょう。
今月もありがとうございます。
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株式会社JEI
山之口良子