ダイソー 磨く円安の逆境
2024年12月27日 [ 社長コラム ]
今年も無事に年末を迎えることができます。
感謝の心でいっぱいです。
今月は ダイソー 磨く円安の逆境
について書きます。
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100円ショップダイソーを手がける
大創産業(広島県東広島市)が
米国に進撃している。
現在130店舗を
2031年1000店舗まで広げる。
13期連続増収だが、事業成長と
100円のハードルは年々高まっている。
'24年大谷翔平選手が活躍する
ロサンゼルス・ドジャーズのスポンサーについた。
バックネット下「DAISO」ロゴが
何度もテレビに映り込む。
'05年に進出し大半を1.75ドル(約250円)で
販売しているが、100店舗あまりの店舗網では
物流コストなどが合わないとみられる。
広島発の大創は国内中心に店舗数を拡大してきたが
グローバル企業に脱皮しようと目線は高い。
海外売上高比率1割を3割に高める野望を掲げる。
米国は市場が大きいだけで無く、
収益確保に苦しみながらも、消費者からの
引き合いに手応えを感じる。
キッチン用品など機能性に優れ差異化できている。
日本食を求めて多くの客が日常的に来店するため
日本の食品メーカーと一緒に米国を攻めようと
仲間を募る。円安の逆風も追い風につなげる。
つぶれるかと思った、と矢野社長は
急激に円安に振れた'22年を振り返る。
大創の店舗は8割が国内だが、
取り扱う商品の7割は海外生産で、
円安が経営を直撃した。
円安の逆風下のために積載容積を減らし、
効率輸送で物流コストを1銭でも
低減する意識が高まった。
お玉セットはパッケージ面積を8割減らし、
積載効率も5割改善。
クッションは真空パックで容積を減らした。
矢野社長は
円安が無ければここまで出来ていなかった。
円安があって強くなった、と吐露する。
雑巾を絞るような努力を続ける。
矢野社長は連日ある言葉を思い出している。
「恵まれない幸せ」。
大創産業創業者で矢野博丈前社長が
繰り返し語っていた言葉だ。
博丈氏は若い頃借金を背負い、
広島から東京に夜逃げ。
転職を繰り返し、苦労の先に
100円ショップを発明。
小売業の一大ブランドに育てた。
息子の矢野靖二社長にも
「苦労を乗り越えた先にこそ幸せがある」と
口癖のように語っていた。
円安の逆風で鍛えた商品力をテコに、
米国他インドなど主要国で
急ピッチに世界販売網を広げる。
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ダイソーに行かない人は居ない?くらい
私たちの生活に浸透している100円ショップに
円安の逆風が吹いていたとは気づきませんでした。
「恵まれない幸せ」恵まれている人には
分からないかもしれません。
恵まれた環境に居ても、高い目標を掲げ
それに向かおうとする人、今日よりは
明日良くしたいと思う人には
きっと励まされる言葉になります。
誰もが、これが無い、あれが無い、
○○のせいでうまくいかない、と考えると
「恵まれない幸せ」は訪れません。
チャンスの女神も前を通ってくれません。
ダイソー創業者は立志伝中の方で
職を転々とされ、その中で学んだことを集約し
100円ショップを開業。
はじめはうまく行かなかったそうです。
それでも今のダイソーの根底には
この「恵まれない幸せ」、
つまり
無いなら工夫して他の方法考える。
他人様の助けを借りて
本当に有り難いと感謝できる。
失敗が成功の入り口に見えてくる。
そうしていくと視点が広がって
自分の頭を総動員して考える習慣がついて
「困ったこと=成功の入り口」
にしていけたからです。
人モノカネの不足する環境、境遇も
「恵まれない幸せ」と思うと
楽しくなってきます。
やるぞ、という気になります。
頭も体も使い、知恵と工夫で
自分の目標を追いかけましょう。
今年もありがとうございます。
よいお年をお迎えください。
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株式会社JEI
山之口良子