ひとりユニコーンの時代
2025年03月28日 [ 社長コラム ]
ようやく春らしくなりました。
短い春をしっかり味わいましょう。
今月は日経新聞2月3日オピニオン欄
『ひとりユニコーンの時代』
について書きます。
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ソフトバンク孫社長は
オープンAIと組んで提供する
企業用AIについて
自らもグループ企業で導入と語り、
その利用料は年間30億ドル(4,500億円)
に上る。
しかし、大資本と言えない
中国のディープシークが
高性能生成AIモデルを開発、世界を驚かせた。
"ビッグ・ビューティフル・ビルディングス"
オープンAIの創業者サムアルトマンCEOは
3つの単語とともに、テキサス州に作る
スターゲート拠点の映像をSNSに投稿した。
ディープシークのアプローチは違う。
公開されたオープンソースAIモデルを活用し、
独自の工夫を重ねる効率重視の開発が特徴。
データの不正利用を疑われるなど
不透明さもあるが、専門家からは
開発手法を前向きに捉える声があがる。
彼らは新しいアイデアを思いつき、
他の人々の仕事の上にそれを築いた。
ひたすらお金をつぎ込むのでは無く
スモールで賢いやり方があると
示した意義は大きい。
多様な業務をこなすAIを駆使すれば、
小さな組織も大きな事業を回せるようになる。
ひとりユニコーンの出現の予言だ。
意外な手法を持つ企業が
既存勢力の不意を突く
「ディープシーク現象」は
どんな業界でも起こりうる。
スウェーデンのクラーナは後払い決済で成長し、
米国で上場する計画を進めている。
創業者は会社のコアとミッションに
強い信念を持つべきだが、
それ以外に関しては非常に柔軟で、
新しいことを学ぶ意思がいる、
と15年前のアルトマン氏の文章の一節だ。
動きの遅い創業者が真の成功を収めるのを
タダの一度も見たことが無い、との記述もある。
ビッグイズビューティフル
と言い切れるか聞いてみたい。
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生成AIは小学生でも使ってます。
活用している人は多いでしょう。
ここで注目して欲しいのは
AIや既存の技術を活用すれば
小さな組織も大きな事業を回せる、
AIのインフラの上で
独自の手法で開発すれば
小、大を良くすることとなり、
サブマリンのように水面に出ると
インパクトを与える事が
できるかもしれません。
製品開発や新しいサービスの開発は
いかにお客様のお困り事を良く聞いているかに
かかっています。
お客様はこんなモノを作ってくださいとは
決して仰いません。
「こんなことで困っている」
「うまく行かない」
「評判が悪い」など、
何らかのマイナス情報を
いつも抱えておられます。
それを「なるほど、ふんふん」と傾聴する。
そして自分たちに何ができそうか考える。
人の知恵を借りる。部門を越えて話し合う。
真剣にやれば、きっと何か出てきます。
浮かび上がってきます。
それでも全部がヒットするわけでも無く
はずれることの方が多いです。
これら情報をAIのインフラの上に乗せたら
どうでしょうか。
動きが遅い創業者が真の成功を収める事は無い、のなら
せめて試行錯誤の速度を上げて、沢山失敗して、
成功を探して行くことは小さな企業でもできます。
考えてみましょう。
今月もありがとうございます。
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株式会社JEI
山之口良子