変化の時代こそニッチトップ
2025年12月15日 [ 社長コラム ]
今回は、日経新聞11月6日世界経営者会議
変化の時代こそニッチトップ
日東電工 高崎秀雄社長 について書きます。
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当社はスマートフォンに搭載されている
機能部品などニッチトップの製品を生産している。
ニッチとは変化しながら成長する市場のことだ。
市場をピラミッドに例えると、
ハイエンドの顧客に密着し、
その顧客からテーマをいただく。
それに対して当社の技術を元に
どれだけ提案できるかが重要だ。
こうした市場は最初は小さいが必ずナンバーワン、
オンリーワンになることを意識している。
差別化することで収益性を確保する。
当社の年間の新製品比率は35%程度を目標にしている。
3年で新製品が全て入れ替わる計算だ。
ハイエンドの市場でポジションを取り、
3年ほど過ぎたら競合も出てくる。
市場はピラミッドの下の方に落ちていき、
ボリュームゾーンにさしかかる。
こうなると当社は製品単品では無く
セットでソリューションを提案するなど戦い方を変える。
更に市場がローエンドになると
知的財産をオープンにする戦略に転換し、
生産せずに他社と協業して
ロイヤルティー収入を得る事業に変える。
日東流イノベーションではゼロから1の間が
最も大切で技術シーズが重要になる。
年に一度研究開発の会議を開きR&Dメンバーが
どのような要素技術を開発しているのかを披露する。
世界で2万6000人の従業員が
新たな製品アイデアを提案できる場もある。
今後は新製品開発において経済価値だけでは無く
社会貢献や人類貢献にもつながることが不可欠になる。
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日東電工、高収益企業として有名です。
ニッチというと隙間産業、
あまり大きくないビジネスというイメージですが
これから主流になるニッチを見つける必要があります。
ハイエンドの顧客、つまり業界最先端で
要求仕様が世にないものを求められ、
できないかもしれないことを厳しく追求する事で
自らの腕を磨く、力を蓄える。
次は単品からセット販売、JEIならシステム化へ移行し、
単品で値段のたたき合いから離れる。
更に競争激化してレッドオーシャンに
なってくると知的財産で稼ぐ。
このそれぞれのプロセスでどれくらいの新たな顧客、
要求仕様、協業先と出逢うことができる。
それを支えるのは独自技術、サービスです。
強いビジネスモデルです。
JEIの行き先の大きなヒントになります。
強いところのまねをして、強いところを追い抜きます。
2025年12月15日
山之口 良子



