技術革新を生む方程式
2026年01月28日 [ 社長コラム ]
年も明け、一ヶ月が経ちます。
今月は日経新聞2025.11.8オピニオンコラム
「技術革新を生む方程式」について書きます。
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グーグルは人工知能や量子コンピュータの分野で
技術革新の領域を広げ、今年を含めて
2年連続ノーベル物理学賞を輩出している。
量子力学などの視点を踏まえつつ
宇宙の原理や森羅万象の探求に努め、
ビジネスの世界に落とし込むということらしい。
欧州から始まった情報革命も背景にあったのではないか。
15世紀の活版印刷、ナポレオン時代の腕木通信、
19世紀の電信電話の発明は技術に
関する情報の伝播を速めたほか、
情報に人々がアクセスするコストも激減させた。
人の往来を活発にした鉄道の
世界的普及もそこには含まれる。
人が行き交うほどに産業は生まれ、経済も大きくなる。
鉄道の次にオープンアーキテクチャーと呼ばれ
1990年代のパソコン革命をもたらした
人を集める経営モデルに注目、
例えばHDDの市場規模やアマゾンの売上高推移を
追いかけてグラフにすると時間の経過とともに
成長が勢いづく指数関数曲線をなした。
HDDはオープンアーキテクチャー、
誰でも利用可能な空間で急成長した製品だ。
半導体メモリなどの技術仕様が公開され
技術者らが群がって開発を競うようになった。
グーグルの場合も似ている。
ノーベル賞級の研究を続ける一方で
検索サービスやスマホビジネスを世界中の開発者、
ユーザーの行き交う場所、仕組みにすることに成功、
探索と既存事業の深掘りからなる
両利きの経営を実現している。
今後、注目されるのは自動車かもしれない。
長く垂直統合型の産業だと言われてきたが、
車体の制御、自動運転、娯楽などに不可欠な
ソフトウエアが重用され始めたのを機に、
水平分業的な動きが活発化している。
日本では新型車開発に48ヶ月程度かける会社が一般的だが、
中国のEV開発は18ヶ月開発が多く
オープンアーキテクチャーの広がりを感じさせる。
多くの人が開かれた空間に集うことで
技術革新のダイナミズムは生まれやすい。
日本にはなお学ぶべき事が多い。
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歴史を振り返れば、人の行き来が
イノベーションを生んだ、と聞くと
日本も明治維新を思い浮かべます。
鎖国から開国、それにも順応し、
欧米に追いつき追い越して来た歴史があります。
多くの人が開かれた空間に集う、とはリアルな空間だけではなく、
ネット空間、仮想空間も含まれるでしょう。
グーグルはスマホビジネスを
世界中の人たちが行き交う場所、仕組みにした。
JEIも出退勤履歴、入退室の履歴や
カメラに蓄積された危険行動やデータ、
端末使用履歴、などAIで学習してなにかを生み出せないか。
それらを業界やセキュリティ機器全般で
共有できるプラットフォームなどあれば、
開発期間も短くなるのではないか。
これからも考え続けます。
2026年1月28日
山之口 良子



